ポータブル電源「BN-RF1100」
JVCケンウッドからVictorブランドとして初めてのポータブル電源「BN-RF1500」と「BN-RF1100」が登場。さっそく筆者の仕事場である家電アトリエに「BN-RF1100」を置いて使ってみています。高い安全性と繰り返し充放電が可能なリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用し、これまで抜き差しが必要だったコンセントへの常時接続が可能なことに加え、AC出力1,500W、容量1,152Whのパワフルモデルなのが魅力。アトリエの家電製品のハブとして大活躍している様子をご紹介します。
ポータブル電源「BN-RF1100」
ポータブル電源「BN-RF1100」は、コンセントに接続したままでどーんと構えていてこそ役に立つ一台ということを前回のコラムでもお伝えしました。「まるでキッチン家電のようなデザインだから、どんな家電も電源を取りやすいカウンターに並べておこう!」と閃いて、L字型になっているカウンターの中央部に置いています。
この日は、昨年12月に発売された炊飯器の実力をテストすべく、玄米を炊いてみることに。「BN-RF1100」のすぐ隣に置いたので使い勝手も上々。AC出力用の差込口のふたを開けてプラグを差し込み、「入/切」ボタンを押すだけで簡単に使えます。
この炊飯器は5年ぶりにリニューアルしてデザインも刷新され、かまどのような見た目がなかなか素敵。炊き方もかなりユニークで、60年以上前の自動炊飯器に採用されていたような二重構造になっていて外釜に180ccの水を入れて使う「蒸し炊き」という手法です。玄米を炊くとき、普通なら数時間もしくは一晩水に浸けておくのが一般的ですが、洗米してすぐにスイッチを押せる点も珍しいですよね。
ちなみに3合炊きと少量用の炊飯器ということもあり、こちらの定格消費電力は670Wと炊飯器としてはやや低め。玄米を炊飯中に液晶画面で確認してみると最高値では684Wを示していました。
玄米の炊飯時間は90分。ふたを開けてみるといい感じに炊けています。圧力をかけていないので、もっちりというよりは玄米らしい香ばしさがあるサックリ食感。納豆との相性ともバッチリです。思い立ってすぐに炊飯できて、90分でこの味わいならいいのではないでしょうか。
「BN-RF1100」は、電気を使っても残量が94%になると自動充電が始まり100%でストップするので、このようにもう1つのコンセントとして便利に使えるのがいいですよね。
昨年12月に5年ぶりに新モデルが出た炊飯器を使ってみます!
この日、炊いてみたのは玄米。炊き上がりまで90分
浸水時間なしですぐに玄米が炊けるのがこの炊飯器のポイント。外側にもう1つ釜があり、そこに水を入れて炊きます
炊飯器の定格消費電力は670Wですが、
途中で確認してみると684Wを示していました
玄米ごはんとお味噌汁、ふりかけ入りの納豆でヘルシーランチ
続いて試した家電は2月に発売されたばかりのコーヒーメーカー。昨年、先行してアメリカのクラウドファンディングでテストマーケティングが行われ、多くの共感を集めたほか、秋に日本で開催されたSCAJ2022でも評判だったものです。
コーヒーメーカーは出力が1,200W~1,400Wと高出力のものが多く、ポータブル電源で使うには不向きなイメージがありますが「BN-RF1100」は、1,500W(瞬間最大3,000W)までOKなので大丈夫。この新製品の定格消費電力も1225Wですが安心して使えますし、電池残量を気にしないでいいのは、炊飯器のところでお話したとおり。
さて、この最新のコーヒーメーカー、どこが注目されているのかというと、プロでも難しいと言われているサイフォン式を家電で実現させているからなのです。そもそもサイフォン式のコーヒーメーカーってどんなものか知っていますか? 1980年より以前はわりと喫茶店などでも使われていてどこか懐かしさを感じる人も多いかもしれませんが、それ以降に生まれた世代の人にとっては知らないもの、新しいもの…なのだそうですね。
お湯が気体になるときの膨張力と、冷えて真空状態になることを利用して、サイフォンの上の球体に豆だけが残り、コーヒーが下に落ちるわけですが、高温かつ短時間で抽出されるため、後味がすっきりしているのが特徴です。
とはいえ、プロでも難しい技術が必要で、準備や後片付けも大変。さらにはいつも一定した味わいに淹れるには熟練の技がないとできないのも事実。だからまさに趣味の世界に近いコーヒーの淹れ方です。これを自宅で楽しめるようにしたのがこの一台というわけ。
面白いのが普通のサイフォンとは上下が逆さまになっていて、上でお湯を沸かしてコーヒーの粉は下にセット。抽出されたコーヒーが下から上に戻っていく様子が噴水のようでショーを見ているような臨場感があります。みんなおまかせでいいのだけれど、最後だけは自分でレバーを操作してカップに注ぐようになっているところがいいなと思います。
2月に発売されたばかりのコーヒーメーカー。家電には見えにくいデザインが特徴です
一般的なサイフォンを逆さにしたようなスタイルがユニーク
定格消費電力は1225Wと高出力。途中で確認してみたところ、1041Wと示されていました。
でも1,500W(瞬間最大3,000W)までOKだから、もちろん大丈夫!
最後は右にあるレバーを手動で操作してコーヒーを注ぎます
アトリエにカウンターの上に鎮座しているポータブル電源「BN-RF1100」ですが、この位置にあってよかったなあと思うのが、原稿執筆をしながらマッサージボードを使いたいというとき。わりと長めのコードが付いているものの、部屋の中心部にあるテーブルでは、普通のコンセントに届くわけがありません。かと言って延長コードを出してくるのは面倒だし…と思うと使う頻度が減ってしまうというものです。
ところが、高さもちょうどよく、絶妙な位置にポータブル電源があるので、ひょいとAC出力口に挿してすぐに使えるのがうれしいではありませんか。このマッサージボードは先代から愛用していましたが、バージョンアップ版が発売されたばかり。ボード型で扱いやすく、14個ものもみ玉が立体的な動きでコリをほぐしてくれます。2段階の速さ設定と5種類のモードから選べるので、お疲れ具合に合わせて自在に調整ができ、飽きずに愛用できそうです。
ヒーターも付いているから、まだまだ冷え込みがちな日にも気持ちがよくて快適。それでも定格消費電力はわずか30Wなのですから、素晴らしいですよね。
というわけで、アトリエの家電たちのハブとして大活躍のポータブル電源「BN-RF1100」。停電で電気が遮断されても自動的にバックアップしてくれる自動給電切り替え機能が搭載されているので、もしもの時にも心強い一台です。必要なときにいつでもすぐに電気を使えて、いつもの暮らしがぐんと豊かになり、もしもの時には家の電気を支える存在になるなんて、素敵だなあと思います。
原稿仕事をしながらマッサージができるのはうれしいです。これも絶妙な位置にポータブル電源があるから
14個のもみ玉が立体的に動いて、ほぐしてほしいところにしっかり届くマッサージボード。ヒーターもオンオフできます
※画像はBN-RF1100を使っています。
【ポータブル電源について】
※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。
※心臓にペースメーカーを装着している方は使用しないでください。ペースメーカーが、本機の影響を受ける恐れがあります。
※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。
※不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。
※防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水がかからないように注意してください。
また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。
家電+ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA
新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。