アトリエにあるポータブル電源「BN-RF1100」(写真左)と、「BN-RF510」
高い安全性と繰り返し充放電が可能なリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用したVictorブランドのポータブル電源は、いまや筆者のアトリエになくてはならない必需品になっています。大容量タイプの「BN-RF1100」がアトリエのハブなら、新顔の「BN-RF510」はその子分といったところでしょうか。小さなハブとしても、手軽に持ち運んでもう1つのコンセントとしても使える新モデルの魅力をご紹介します。
アトリエにあるポータブル電源「BN-RF1100」(写真左)と、「BN-RF510」
アトリエには、Victorのポータブル電源RFシリーズの上位モデル「BN-RF1100」がハブとして活躍しているのは、これまでのコラムでもお伝えしたとおりです。というのも、独自設計によって、これまではバッテリーの経年劣化や事故防止のために必要だったコンセントの抜き差しが不要で常時接続が可能なので、棚の上などに置いてもう1つのコンセントとして便利に使えるから。
自動で満充電に近い状態(94%以上)を保つのはもちろん、大容量なので、炊飯器やコーヒーメーカーなどにも気兼ねなく使えるのがいいのです。そうそう、こちらのRFシリーズは、リン酸鉄系リチウムイオン充電池を搭載しているため安全性が高く、なんと約3~4,000回※の繰り返し充放電が可能な寿命の長さが大きな特徴です。
※BN-RF1500/BN-RF1100は約3,000回、BN-RF800/BN-RF510/BN-RF250は約4,000回。
新モデルの「BN-RF510」は、小型なので女性や高齢者にも扱いやすい一台。筆者が提唱している「ベランダ発電&電気のちょこっと貯金」のように持ち運んで使うだけでなく、常時接続で便利に使える点においても引けを取りません。ということで、この年末はアトリエのワゴンに置いて、“小さなハブ”として使ってみることにしました。
「BN-RF510」と並べて置いたのは、愛用中のハンディクリーナーが3台。実はアトリエには家電が多すぎて、しかもコードレスのタイプが多く、充電のためのコンセントを確保するのがけっこう大変なんですよね。でも、ポータブル電源があれば、電源タップを使わなくても大丈夫。ポータブル電源だけをコンセントに繋いで、必要なときに家電製品の充電などに使えます。出力端子は、一般的なコンセント差込口のAC出力端子が3口、USB Type-Aが3口、 Type-Cが1口、DC出力のシガーソケットが備えられており、AC出力600W以下であれば、様々な家電を組み合わせて使うことができるのです。
一昔前のハンディクリーナーは、重くて丸みがあり、それなのにパワーに欠けていて不人気でしたが、最近はスリムでスタイリッシュなうえにパワフルなものが増えてうれしいことです。特に愛用しているモデルは、先端にLEDライトも付いていて、細かいところを掃除する際もホコリがくっきり浮かんで見えて助かります。アタッチメントが豊富で(しかも、充電台にスタッキング可能だから行方不明の心配もなし!)、冷蔵庫の野菜室の野菜くずの掃除から、カーテン、ソファ、棚の上まできれいになって重宝しています。
ポータブル電源「BN-RF510」の電源コードにはACアダプターがなくスマート。しかも常時接続が可能なので、定位置にスタンバイさせておけます
アトリエの棚に置いて“小さなハブ”として活躍中。主にハンディクリーナーの充電に使っています
2つのハンディクリーナーを充電中。アウトプットとインプットが同時進行で行われています
使用頻度が一番高いハンディクリーナー。充電台の後ろにアタッチメントが収納できるところも気に入っています
アタッチメントを付け替えると、カーテン、ソファ、棚の上のホコリまできれいに!
食パンに好きな具材をはさんで焼き上げるホットサンドは、手軽に作れて食べやすいので朝食やランチにもってこいですよね。これを作れるホットサンドメーカーは数多くのメーカーから発売されていますが、食パン2枚を使って作るようになっているのが一般的。熱量も大きく、消費電力が700W以上のものが多いのです。
ところが、この1~2年、食パン1枚をくるりと2つ折りにして作れる「食パン1枚用」のホットサンドメーカーもちらほら出てきました。アトリエにあるブルーのカラーが可愛らしいホットサンドメーカーをチェックしてみると、消費電力が350W。これなら、ポータブル電源「BN-RF510」でも使えますよね。
“小さなハブ”として2台のハンディクリーナーを充電中でしたが、出力端子はまだ余っていますし、合計600WまでならOKなので余裕です。
ということで、この日はライ麦パンにハム2枚、スライスチーズ、家から持参したポテトサラダをはさんで、ホットサンドを作ることにしました。定格消費電力は350Wですが、予熱中の表示は333Wに。赤いランプが消えたら、パンを置いて、その上に食材をのせていきます。焼き上げる時間は2分半~3分程度。焼き過ぎると、外側がバリバリになってしまうので、きちんと時間をはかるのがポイントです。こんな時、スマートスピーカーに「アレクサ、3分タイマー」と言えば教えてくれるのは本当に便利。ちょうどいい具合に焼けたホットサンドとコーヒーで栄養バランスのいいランチになりました。
食パン1枚でホットサンドができる可愛い調理家電。定格消費電力は350Wですが、予熱中の表示は333Wになっていました
ライ麦パンにハム2枚、スライスチーズ、家から持参したポテトサラダをはさんで約3分で出来上がり
カットしてみるとチーズがトロリととろけてパンはサクサクに!
アトリエの小さなハブとして定位置に居てくれるのも心強くて便利ですが、コンパクトながらAC出力600W、容量512Whと頼もしく、ポータブル電源の電源コードを外して、好きなところに持って行って「もう1つのコンセント」として使えるのも大きな魅力です。
この日はレビュー記事を書くべく、テーブルに置いて新しい調理家電を試してみました。この家電は、一目見ただけでは調理家電には見えない、まるで薄型のサコッシュみたいな形状の袋型の低温調理器。内側にはフィルムヒーターが張り巡らされていて、チャック付きのビニール袋(密封袋)に入れた食材をこのヒーターで包み込んで、低温でじっくりと加熱する仕組みになっています。
鶏むね肉300gで作るサラダチキンや、200gの牛もも肉で作るローストビーフなど、縦230×横240mm、手のひらより一回り大きいサイズの本体に収まる量しか作れませんが、鍋も水も火(ガス)も使わずに済むのだから本当にお手軽ですよね。
鶏むね肉300g(程度)の皮を取り除き、チャック付きの密封袋に入れて、砂糖、塩、トマトペースト、マジックソルト(ガーリックタイプ)を適量入れて、空気をしっかり抜いて口を閉じ、よくもみ込みます。本体に密封袋の上部を折り畳んで入れ、ファスナーを閉めます。
そうしたら、電源プラグを「BN-RF510」のAC出力端子に差し込み、入/切ボタンをオン。80度、120分に設定してスタートボタンを押すと加熱が始まります。設定温度に達するまでの予熱の間は、操作部の表示が点滅し、調理が始まると残り時間がカウントダウンされていきます。
120分のカウントダウンが終了するとブザーが鳴って、操作部にEndの文字が表示されました。ポータブル電源の残量を確認すると、電池残量が100%だったのが89%に。2時間ちょっとの調理時間でしたが、定格消費電力が90Wと小さいのでそんなに減っていませんね。
さてさて、この12月はアトリエを留守にすることも多く、曇りがちな日もあってベランダ発電をやめて常時接続方式で使っていましたが、年明けにはまた電気のちょこっと貯金にチャレンジしたいなと思っています。いろいろな使い方ができる、ちょうどいいサイズの「BN-RF510」、お気に入りです。
「BN-RF510」をコンセントから抜いてテーブルに。この日は、レビュー記事用に袋型の低温調理器を試してみました
トマトペーストとマジックソルト(ガーリックタイプ)を使って、イタリアンテイストのサラダチキンを作りました
調理終了後に確認すると、電池残量が100%だったのが89%に
トマトとガーリックの味わいがほんのりした、やわらかいサラダチキンが出来ました
※画像はBN-RF510を使っています。
【ポータブル電源について】
※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。
※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。
※不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。
※防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水がかからないように注意してください。
また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。
家電ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA
新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。