ポータブル電源

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ライフハック

コンセントへの常時接続が可能なVictorブランドのポータブル電源を、もしもの時やアウトドアでの使用を想定して満充電から0%になるまで充電せずに使ってみる実験の第3弾です。スタンダードモデルの「BN-RF800」はどれくらい使えるでしょうか?

満充電の「BN-RF800」で全自動コーヒーメーカーを使ってみたら、5日間・22杯分で残量50%という驚きの結果になりました


高い安全性と繰り返し充放電が可能なリン酸鉄系リチウムイオン充電池を採用したVictorブランドのポータブル電源は、これまで抜き差しが必要だったコンセントへの常時接続が可能なのも大きなポイントです。でも、もしもの時やアウトドアの使用など、充電ができないとしたら、いったいどれくらい使えるものなのかも気になるところです。今回の実験で使ったのはスタンダードモデルの「BN-RF800」。満充電の状態で最新の全自動コーヒーメーカーを使った様子をお届けします。


ポータブル電源「BN-RF800」。AC出力700W(瞬間最大出力1,400W)、容量806Whでハンドル付き。もしもの備えとしてもアウトドア使用にも向くモデルです


目次

  1. 【1日目】届いたばかりの全自動コーヒーメーカーでランチ用のコーヒーを2杯分淹れて残量93%
  2. 【2日目・3日目】マグカップ1杯分のアイスコーヒーと、お客様用の4杯のコーヒーで残量81%
  3. 【4日目・5日目】原稿を頑張る日のためにたっぷり保温マグ&10杯分のコーヒーで電池残量50%に

■【1日目】届いたばかりの全自動コーヒーメーカーでランチ用のコーヒーを2杯分淹れて残量93%

Victorのポータブル電源「BN-RF800」は、幅330mm×高さ207mm×奥行246mmと親しみやすさを感じさせるサイズ感で、ハンドル付き。質量も約11kgと女性でも持ち運べるポータブル電源です。AC出力700W(瞬間最大出力1,400W)、容量806WhなのでLEDライトやPC、タブレットやスマートフォンなどの充電はもちろん、小型の調理家電や扇風機などにも使えるバランスのいいモデルと言えるのではないでしょうか。

 

出力端子は、一般的なコンセント差込口のAC出力端子が3口、USB Type-Cが2口、USB Type-Aが2口、DC出力のシガーソケットが備えられており、AC出力700W以下であれば、様々な家電を組み合わせて使うこともできます。筆者の仕事場であるアトリエでは、「BN-RF1100」に次ぐ第2のハブとしてカウンターに置いてコンセントに常時接続させてアナログレコードプレーヤーやLEDライト、ハンディクリーナーやスマートフォンの充電など便利に使っています。

 

そんな「BN-RF800」ですが、これまで「BN-RF1100」や「BN-RF510」で試したのと同様、満充電の状態でいったいどれくらい使えるのかを試してみるのが今回のミッション。そこでちょうど届いたばかりのコンパクトな全自動コーヒーメーカーでコーヒーをどれくらい淹れられるのかを試してみることにしました。というのも、コーヒーメーカーというと、消費電力が大きいものが多いイメージがあるかもしれませんが、カプセルタイプやエスプレッソマシンのようなものでなく、比較的コンパクトなものだと600W~800W程度。

 

今回試したものは、全自動という名の通り、水と豆をセットすると、豆を挽いてドリップするところまでを自動で行うタイプで最大4杯分まで淹れられます。定格消費電力も600Wということなので問題ありません。コンパクトなデザインやシャンパンシルバーのカラーが、「BN-RF800」の隣に置いてみるととてもマッチしているのもなんだかうれしいではありませんか。

 

まずは、買ってきたソーセージパンと豆パンでのランチ用にホットコーヒーを2杯淹れてみることに。水タンクに2杯分の水を正確に入れ、コーヒー豆を取扱説明書どおりに18gをスケールで計ってバスケットに入れ、コクが出るという「リッチモード」を選んでスタート。豆を挽く時にはそれなりの音がしますが、あっという間に挽き終わって抽出へ。OUTPUTの表示を見ると、挽きでは100~110W程度、抽出時は590W程度でした。抽出が終わって試飲です。リッチモードでは蒸らしの時間を長くとって、しっかりとした味わいにしているというだけあってなかなかの味と香り。もしかすると、もうちょっと豆の量を増やした方が私好みかもしれません。お手ごろ価格のコーヒーメーカーなので使用している刃はプロペラ式で、豆の挽き目は選べませんが、挽き立ての豆でドリップコーヒーが楽しめるエントリーモデルとしては十分かなと思います。


いつもはコンセントに繋いだままで、アトリエのカウンターで第2のハブとして使っている「BN-RF800」ですが、電源コードを外して実験開始です


届いたばかりのコンパクトな全自動コーヒーメーカーの定格消費電力は600W。隣に置いてみたらバランスもよく相性の良さを感じました


まずはアトリエランチ用に2杯分のコーヒーを淹れてみます


豆を挽き終わった段階では電池残量99%。ここからドリップのためのお湯を沸かすために消費電力が上がります。この時の表示は583W


淹れたてのコーヒーと共に。ソーセージパンと豆パンでランチタイム


■【2日目・3日目】マグカップ1杯分のアイスコーヒーと、お客様用の4杯のコーヒーで残量81%

2日目のこの日は、新製品発表会から戻ってきたところでノドがカラカラ。汗もかいたのでアイスコーヒーの気分です。そこで、マグカップにたっぷりのアイスコーヒーを作るべく、アイスコーヒー2杯分の水と豆でスタート。豆はこの前とは違う、エスプレッソにも向く深煎りの豆をセレクトしてみました。

 

水の量は少ないけれど、豆はたっぷり2杯分なので濃く出し、氷で急冷する仕組みです。なので、抽出時間も短く、昨日の電池残量93%から、89%とわずか4%しか減っていないのでした。何はともあれ、ガラスのマグカップにたっぷり入れたロックアイスで急冷したアイスコーヒーは香り高くて美味しいことと言ったら!やっぱり挽き立てのコーヒーが一番ですね。

 

そして3日目。女性誌の取材・撮影でお客様が3人お見えになるので、自分の分を含めて4杯分のコーヒーを淹れました。ちなみにこのコーヒーメーカーは、スイッチをオフにしなければ抽出後30分は自動で保温する仕組みになっています。とはいえ、保温時の消費電力はわずか1W。10分くらい保温したところでちょうどいらっしゃったので、保温を切ってカップにサーブ。豆の量を少し多めにした代わりにマイルドモードで淹れたら、1日目と同じ豆なのに違った味わいに。お客様からも好評でよかったです。この日の電池残量は81%になっていました。

 

 


アイスコーヒーをマグカップ1杯分淹れても電池残量はまだ89%。わずか4%しか減りませんでした


ロックアイスで急冷したアイスコーヒーは香り高くて美味!


お気に入りのコーヒー豆でお客様用に4杯分のコーヒーを淹れます


電池残量は81%に。いやはや思った以上にたっぷり使えて頼もしいです


取材にいらした編集者さん、ライターさん、カメラマンさんの分と私の分


■【4日目・5日目】原稿を頑張る日のためにたっぷり保温マグ&10杯分のコーヒーで電池残量50%に

4日目は原稿執筆デーにつき、アトリエに到着したら帰るまでのコーヒーを保温マグに入れてひたすら集中です。マグに入る量はほぼ3杯分とたっぷり。今日は豆の量多めでリッチモードにしました。濃く淹れたコーヒーで気合を入れるというわけ。これまでこの保温マグはあまり使ったことがなかったけれど、冷めにくいし(うっかり勢いをつけて飲もうとして唇が火傷しそうになったくらい)量もたくさん入るのでもっと活躍させようと思った次第。これからはアイスコーヒーを入れておくのにもいいかもしれません。

 

で、電池残量ですが72%。この時点でホットコーヒー9杯、アイスコーヒー2杯(マグカップ1杯)分も淹れたのに、こんなに残量があるなんてすごいですよね。なんて頼もしいことでしょう。明日は、1日中、次々に打ち合わせなどでお客様がいらっしゃるので、ポットにコーヒーを入れて用意しておく作戦。残量はどうなるでしょうか。

 

5日目の朝、いつもより早めにアトリエに来てコーヒーの用意です。実はこのコーヒーメーカーは豆だけでなく、粉も使えるんですよね。挽く時間を省けるし、早めに飲んでしまいたかったこともあり、家にあったお気に入りのグアテマラ産のコーヒー(粉)を使うことにしました。

 

マックスが4杯なので、2回で8杯分淹れた段階で電池の残量は57%に。ポットにはまだ空きがあるので、3杯分の水と粉で淹れたところでぴったり50%になりました。ポットに満タンになるまで入れて、残りは自分で味見。間違いなく美味しいです。保温マグ同様、こちらのポットもかなりの保温力で大勢にサーブするときにはとても便利だなと気づけてよかった!

 

ということで、平日の5日間、ひたすらコーヒーを淹れ続けましたが、いろいろな味わいがあり、カップやポットなども代わる代わる違うものを使ってみて楽しい実験になりました。本当は0%になるまで次の週も続けようかなと思ったのですが、ちょうど50%になったところだし、私なりの結論を述べたいと思います。

 

満充電の「BN-RF800」があれば、途中で充電をすることなく、ホットコーヒー20杯分+アイスコーヒー2杯分(マグカップ1杯分)×2も淹れられるということは、毎日3杯分のホットコーヒーを約14日間(2週間)も楽しめるということです。

 

もちろん、コーヒーメーカーの種類にもよりますし、定格消費電力700W以下のコーヒーメーカーを使うのが条件ですが、コンセントがない場所でコーヒーメーカーを使いたいという場合でも、コーヒーメーカーの隣に置いて使い、1~2週間に一度、コンセントの近くに持って行って電源コードで満充電する…という使い方もできそうです(電池残量0%からフル充電にかかる時間は約2.5時間)。

 

また、ハンドル付きの「BN-RF800」はアウトドア向けでもあるので、車に積んでいって、キャンプの朝に挽き立てのコーヒーを楽しみたいという場合に重宝だなと思いました。電池容量が十分なので、スマホやLEDライト、タブレットの充電や扇風機で涼むときにも使えますしね。これからの季節、ぜひ役立てていただきたいなと思います。

 


保温マグ用に3杯分のコーヒーを淹れます


豆を挽いて3杯分のコーヒーを淹れたら、電池残量は72%になっていました


この日は次々に打ち合わせがあったため、ポットにコーヒーを入れて準備しておくことに


今回はあらかじめ挽いてあるコーヒーの粉を使いましたが、8杯分(4杯×2回)淹れた段階で電池残量は57%に


ポットにまだ余裕があったのでコーヒーの粉3杯分を抽出し終わったら、ちょうど50%の電池残量に。ポットに満タンになるまで入れて、残りは自分で飲みました


いつもと違うカラフルなカップでお出ししたら「可愛い!」と喜ばれました



※画像はBN-RF800を使っています。

 

【ポータブル電源について】

※本機の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本機の各面から5cm以上スペースを空けてください。

※給電する機器の充電制御や充電状況、環境などにより給電できない、または急速充電にならない場合があります。

※不安定な場所に置かないでください。必ず、平坦で安定した場所に置いて使用してください。

※防塵・防水仕様ではありませんので、ほこりや水、海水などがかからないように注意してください。

また、手がぬれた状態で本機を操作しないでください。降雨時、降雪時、降霜時の使用は、事故や故障の原因となりますので、ご注意ください。


Profile

家電ライフスタイルプロデューサー
神原サリー
SALLY KAMIHARA

新聞社勤務、フリーランスライターを経て独立。
東京・広尾に家電アトリエを構え、家電分野を中心に執筆や商品企画、コンサルティングなどで幅広く活躍。
暮らしの中でどのように役立つかといったライフスタイルをトータルで提案している。テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。



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